ゆめみがち

趣味の世界史と日々の思想をつらつらと

第一回世界史ブログ 大航海時代

第一回のネタはローマと迷ったのですが、世界史初見者には大航海時代のほうがイメージつきやすいかな、と思ってこちらのテーマでいきます。

 

大航海時代って覚えてますか?

なんか船に乗った人がたくさんいて、アメリカを”発見”したりアフリカの喜望峰に行ったり世界を一周したりする、あの時代ですよ!

大航海時代が近代ヨーロッパの幕開け、ひいては現代社会の礎になったといってもいいでしょう。

海賊好きの方なら聞きなじみのある名前も多いはず。

コロンブス、ドレイク、マゼラン、ティーチ…

ですが今日は海賊談義ではなく、宗教の話をしましょう。

といっても教義ではないですよ。

だいたいどの地域にどの宗教が多いかというお話です。

特にこれはキリスト教のお話。

これが意外にも地理のテストなんかで活躍する知識なんですよ。

 

キリスト教っていろいろな宗派があって覚えづらいですよね。

特に理系で地理を学んでいる人なんて、宗教分布が覚えられないという悩みも多いはず。

というかそもそもどんな種類があるの?

ということでまずはさらっとその種類から。

 

以下ローマが関係するキリスト教宗派。ざっと4~5世紀に確立。

カトリック;一番スタンダードなもの。大筋はローマ帝国が決定した。その経緯はまた別の機会に。

東方教会ローマ帝国が東西に分裂した際に一緒に分裂した。それもまたの機会に。

コプト教会;エジプトの一派。これもローマの話のときに。

 

今回主に扱っていくのは宗教改革以降(16世紀)の宗派です。

カトリック;やっぱりスタンダート。西欧全体を占めていた。

プロテスタント;「抗議する者」という意味。

        ルターが提唱したものが一番イメージつくかな。

        ほかにカルヴァン派ツヴィンクリ派、イギリス国教会

        (詳しくは別の機会に)

 

ふう!説明していくとなんだか難しく聞こえますね。

そしてあれもこれも説明したくなってくる…いかんいかん。

 

さて、大航海時代になって、人々はヨーロッパ大陸にとどまらず、世界に出ていくようになります。

その目的はさまざま。

商売の機会を求めていく人、新しい土地を手に入れようとする人、貧しくて新生活に活路を見出そうとする人。

 

そして、布教をする人。

 

なぜ布教する人がいるのか。

教会はヨーロッパ世界の人々にとって心の拠り所であり、彼らが新天地へ向かうのならその信仰を支える牧師さんも海を越えるのはなんとなくわかりますよね。

でもそれだけじゃないんです。

このとき、布教しようと世界にでていったのは「カトリック」の人たちなのです。

同時期に発生していたプロテスタントではなく。

 

なんとなく想像がつきますか?

ヨーロッパ世界では、カトリックはその地位を金で買えたり、免罪符というものを発行して金を稼ぐなど、世俗にまみれにまみれていました。

そんなあり方は正しくない!と声をあげたのがプロテスタントなのです。

たちまちプロテスタントの勢いは強くなり、ルターの活動していたドイツ、カルヴァンツヴィンクリのスイス、は一気にプロテスタント色になります。

その周辺諸国にもプロテスタントは広がりその勢いはどんどん増していきます。

ついには「宗教戦争」まで勃発する始末。

その中でカトリックにも自己改革をすべきだという一派が現れます。

それがイグナティウス・ロヨラたち。

彼らは「イエズス会」を開き、カトリックの自己改革を進めていきます。

そして影響力を弱めたヨーロッパから、外の世界へ、その信仰を広めようとするのです。

 

なんとなくお気づきでしょう。

この布教活動の一環で日本に漂着したのが、みんな大好きザビエルさんです。

日本史でふらっと登場するザビエルはこのような流れの中で日本に来たのですね。

 

さて少しズレましたが、外へ外へ布教を進めていったのはカトリックイエズス会というのはわかっていただけたかと思います。

イエズス会は現地の人への布教を積極的に行っていきます。

なのでおおざっぱにこの時代にヨーロッパ人が訪れた場所でキリスト教という地域なら、宗派は「カトリック」と覚えていただいて結構です。

ちなみにこの時代ヨーロッパ人が訪れた場所は

南アフリカ、インド、東南アジア、中国、日本(東回り)

北アメリカ、南アメリカ(西回り)

です。ほぼ世界ですね。

で、現在もキリスト教なのは

南アメリカ、フィリピン

南アメリカ全域

です。

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イエズス会は中国や日本にも入り、皇帝や大名の許可を得て布教活動しています。

北アメリカはこのあともイギリスを中心にたくさんの一般の人が入植していきます。

彼らは彼らの信仰を持って入植してきますから、そこまでカトリックが強いということはありません。

逆にプロテスタントの人口が多かったので、WASPという言葉も生まれます。

これはWhite Anglo-Saxon Protestant  (白人のアングロサクソン人(イギリス人の多くの民族名)のプロテスタント)の略で、長くアメリカを支配してきた白人層の特徴を示しています。

とはいえ広大かつ自由の国ですから、それ以外の少数宗派も存在しています。

そこはお間違えなきよう。

 

以上で、ざっとでしたが、大航海時代キリスト教の関連の説明を終わろうと思います。

細かい事件や史実を上げればキリがありませんが、イメージとして理解していただければと…!

 

間違いやなにかありましたらコメントにてお願いします。